最初、島村先生が「このギムネマを半分食べてからチョコレートを食べてみてください。甘さを感じなくなります。」と仰っていて、私は『まさか。こんな見た目が普通の葉っぱ食べただけで感じなくなるわけない。』と思っていた。実際にギムネマを食べてからチョコレートを食べるとほんとに甘さを感じなくて、驚きとともに今まで体験したことがなかったため、不思議な気持ちになった。さらに、これが味覚障害の人のきもちなのかとも思った。
味蕾の話で、ウサギや牛などの草食動物が人間よりも味蕾の数が多い理由がもし毒草を食べた際すぐに気付けるようにするために多かったり、ナマズの方は草食動物よりさらに多い味蕾を持っている理由もナマズが生息する沼では目が見づらく、そのためナマズは皮膚にも味蕾がありそこで周りを判断している。逆にニワトリや蛇といった餌を丸呑みする動物は味蕾が少なく、その理由もあったら顎が大きくなって重くなるためなどと動物それぞれの味蕾の数にはこんなさまざまな理由があるということは知らなかったため、とても勉強になった。人間の味蕾は舌だけでなく、軟口蓋や咽頭にもあり、炭酸飲料の爽快感はこの咽頭などで感じると仰っていた。よくビールはのど越しを味わうというがこれは咽頭にある味蕾で感じるのではないかと思った。
一つ疑問に思ったことがある。人にとって美味しさを感じる一つに生理的欲求に基づくおいしさがあり、例としてポカリも話をしていた。私はインフルエンザなどで熱が出た時、よくポカリを飲むのだが味が普段飲んでいる味と違った味がする。それは風邪で味蕾が影響しているのか、それとも汗をかいた後に飲むから体が生理的に求めて感じる味なのか気になった。
この講義を聞いた後にインターネットで味覚修飾植物について少し調べてみた。私は愛媛大学教育学部の味覚修飾植物を用いた味覚教育の実践事例の論文を読んだ。そこには、今日の講義でも島村先生が仰っていたように、近年、若者の味覚障害が多くなってきてその要因として栄養の偏り、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加などに加え、食材の安全性や海外依存など「食」に関する
様々な問題が生じている。特に若者の間では、朝食の欠食や偏食、不規則な食事など食行動の乱れがみられると記述されていた。そこで、実際の高校生に今回の講義のように実際にミラクルフルーツを食べてみる実験を行って若者に味覚への興味を引き出そうとしていた。しかし、結果は味覚を感じる仕組みやミラクルフルーツのメカニズムに
興味を示し、授業中もグループ内で真剣に考える生徒が多く見られた。しかし、理科が苦手な生徒にとっては味覚の仕組みやミラクルフルーツのメカニズムを考えることは難しく、興味が湧きにくいと記述されていた。しかし、私は今回の講義を受けて以前よりも味覚に興味をもつことができた。だからこそ、もっと授業のやり方を工夫すればたとえ高校生でなくても他の学年にも通用する内容など感じた。もし、私が栄養教諭になった時は今回の講義で得た知識を使い、子ども達にミラクルフルーツとギムネマ、味覚の素晴らしいを伝えることが出来ればいいなと思った。
【参考文献】
味覚修飾植物を用いた味覚教育の実践事例: 田頭歩佳, 宇都宮早智, 星川直実、岡本威明 愛媛大学教育学部紀要第62巻 103-111(2015)
島村のコメント
インフルエンザで熱が出たときに味がいつもと異なるのは、鼻が詰まった影響が一番多いと考えますが、汗をかいた後に飲むことで欲している成分を生理的に求めているのもあり得ると考えます。