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■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2018/01/25に実施した岐阜市立女子短期大学 食物栄養学科2年の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

 今回の特別講義を受けて、普段の講義では学ばなかった味覚の知識や味覚に影響を与える味覚修飾植物について知ることができた。
 味覚の仕組みに関しては、味蕾は舌だけでなく喉にも存在していることを知り、苦いものを食べた後に喉に違和感がある理由は喉に味蕾があるためだと分かった。また、人間の脳は他の動物より発達しているため味蕾の数も人間が1番多いと思っていたがウサギや牛のほうが多く、ナマズに関しては人間の約27倍もあると知って驚いた。人間の中では成人より赤ちゃんのほうが味蕾の数が多く、9〜12歳頃の味覚の形成が非常に重要であることが分かった。栄養の勉強をしていると子供への食育は大切だと言われるが、それは味覚の形成にも関係しているのだと思った。子供は苦味などを感じやすいため好き嫌いは多いが、寄食に走らないようにしなければならない。自分で野菜を育てたり調理をしたりすることで、嫌いな食べ物を食べようと思うメカニズムは納得できた。また、子供が苦味を嫌うことを利用して、乳幼児向けのおもちゃに苦味をつけることで誤飲を防ぐという考えはとても有効であると感じた。好き嫌いの変化では、私自身10代後半になりピーマンやコーヒーなどの苦味のある食べ物を食べられるようになったことから、脳が自然に苦味は毒ではないと認識するようになってきたのだと思った。
 味覚修飾植物であるギムネマ、ミラクルフルーツについてはこれまで何も知らなかった。最初は半信半疑で試食をしたが、ギムネマを食べた後に甘味を感じなくなったことには驚いた。これまで、甘いものを食べた後に酸っぱいものを食べるとさらに酸っぱく感じるという経験はあったが、味を感じなくなることは初めてで、味覚のおもしろさを感じた。ミラクルフルーツの試食ではギムネマほどの違いは感じなかったが、酸味が甘味に変化していて、普通では酸味が強く食べにくいレモン果汁をかけたヨーグルトもおいしく食べることができた。このような味覚修飾の効果を病気の治療に利用することはとても良いと思う。栄養の勉強をする中で糖尿病の治療食を考える機会があったが、糖質制限が必要であるため、甘い調味料での味付けをする料理や砂糖を使ったお菓子は献立に取り入れることができなかった。しかし甘いものが好きな人にとってこのような献立ばかりではストレスが溜まってしまうため、ミラクルフルーツを食べることで糖質を制限したまま甘いものを食べたと感じられることは、糖尿病の治療に非常に役立つと感じた。
 他にも、赤色の食欲増進作用は果物が熟した色であるからということ、味覚障害にならないために日本食を大切にする必要があることを知ることができた。味覚修飾植物を使用した糖尿病の治療食については、私も考えてみたいと思う。味覚について楽しく学べた講義だった。



Bさん 

 これまで大学の講義では、味覚実験や感覚器系の一部として『味覚』について学んできたが、とても苦手分野でありあまり興味が持てなかった。ミラクルフルーツとギムネマについては名前が聞いたことあるくらいでどんなものか想像がつかなった。しかし冒頭にギムネマの力を初めて体験し、その感覚やメカニズム、味覚の知識を学ぶにつれて楽しみながら講義を受けることができた。
 私が特に印象に残ったのが好き嫌いのメカニズムについてである。私は小学生の頃トマトが急に苦手になり、大学に入りひとり暮らしをするようになってからまた食べられるようになった。なぜ苦手になったのか、いつから食べられるようになったか私自身もわからなかった。しかしメカニズムの内容を聞いて、昔家庭栽培していたトマトがあまり美味しくなかったという経験がトマトを食べられなくなった原因ではないかと思い出すことができ、なるほどなと思った。そして、トマトを食べられるようになったのも大学でトマトの栄養素を知り健康面から意識して食べるようになったことが原因だったとわかった。あれだけ拒んでいたのに今では平気になっていることが驚きではあるが、好き嫌いを治すための条件は案外単純で、好き嫌いを自分で意識的に治すのは難しくないのかなと思った。
 また、好き嫌いと関連して、今後自分が子供を育てるときにも役立つ情報もたくさんあった。子供の頃の食生活は大人になった時も大きく影響することは知っていたため、さらに深く考えると、味に関しては赤ちゃんの頃から薄味にすること、いろいろな味を覚えさせることを意識したいと思った。さらに私は小さい頃からファストフードや清涼飲料水などを食べる習慣がなく、みそ汁もダシをとるような家庭に育ったため、当時は周りが羨ましかったが今になって母親には感謝したいと思った。近年は味覚障害になる人が多く、私もひとり暮らしで加工食品を利用することが多いため、今後はあまりとらないように意識したいと思った。
 講義の序盤終盤で体験したミラクルフルーツとギムネマは、初めての感覚にとても驚いた。現在は科学の進歩により味を操ることは容易であるが、見かけはただの葉っぱや木の実でもここまで人の感覚をコントロールができるため、どれだけ人が苦労していても自然界の力は科学以上の可能性があると思った。今後も科学を超えるような植物が発見されることに期待したい。また糖尿病患者など糖質制限をしている方や、ダイエットを目的とした商品としてどのような展開していくのか楽しみである。多くの方がまだ味覚修飾植物について知らないため、今日聞いたことを私も広めていきたいと思った。まずは本講義でいただいたミラクルフルーツのタブレットを知人に食べさせて驚いてもらおうと思う。



Cさん 

 今回の講義で印象に残っていることは2つあります。1つ目は人と他の動物の味蕾の数の違いと味覚の違いについてです。この2つの違いについて生物の進化過程を踏まえて説明されていたため、大変納得できました。味蕾の数の違いについて、ナマズは皮膚にも味蕾がある事を初めて知り、味蕾は口の中だけにあると思っていたため驚きました。また赤ちゃんは大人よりも味蕾が多く存在することを知り、乳幼児期の食事が薄味である理由がわかりました。味覚の違いでは、コアラは毒のある植物を分解する微生物を持つことで、他の動物にとって毒であるものを食料とできるため生き延びたことを知りました。また人は酸味や苦味は腐敗物や毒と判断されるため、小さい頃はこの2つの味を苦手とする子供が多いことが分かりました。毒ではないということを経験により理解することで食べられるようになることを知り、小さい子になぜ食べられないのかと強く言うことはあまり良くないのではないかと考えました。味覚は生き延びるために、動物の進化には必要なことばかりが残ってきたと知り驚きました。
 2つ目は好き嫌いのメカニズムについてです。メカニズムの中の雰囲気と経験が好き嫌いに関わることに興味を持ちました。雰囲気では食べている時に嫌なことを言われたなどが挙げられました。先生の話を聞いて、経験では親が残しているものを見た子供は、その食べ物はあまり好きにならないのではないかと私は考えました。好き嫌いは味だけで決まるのではないことを知り、食事中の環境を整えることも重要だと感じました。このことから私は栄養士として栄養指導をする上で、まず食事することを楽しんでもらえるように工夫することが大切になるのではないかと思いました。今後栄養指導をする時には、楽しみを伝えながら指導できるような方法を考えたいです。
 味覚修飾植物のミラクルフルーツで酸味のあるものを甘く感じることが糖尿病患者の食生活に応用できることを聞きました。この方法は患者にとって甘いと感じることができる食べ物を食べることができるため良いと思いますが個人差があり、あまり甘く感じられない人がいることが難点であると考えます。味覚修飾植物がまだあるのではないかということについて、塩味に変化させる植物や、塩味を敏感に感じることができるようにする植物が見つかるとよいと考えます。これは、高血圧患者など塩分制限を必要とする患者が多いため、減塩しても塩味を感じやすくなると患者のストレスを減らして治療が進められると思うからです。今回この講義を受け、味覚について大学の講義では聞いたことのない内容も知ることができました。栄養士として指導をする時には対象者に根拠を伝えることが理解につながると考えています。味蕾の仕組みや好き嫌い、おいしさについて学んだことを伝えることでより対象者が納得できるような指導ができると思います。今後、人に伝えることができるように今回の内容を理解し、整理しておきたいです。



Dさん 

 本日は、足場の悪い中、貴重なお時間を誠にありがとうございました。
 正直味覚を感じる仕組みなど解剖生理学などで学習していたことや自動車で登下校しているので早く帰って雪道から解放されたいなどあまり気乗りがしない状態で講義を受け始めました。しかし、今まで、文面で学んできたことを反復するような講義ではなく、次から次に興味がわき、心から興奮を覚えるようなそんな講義でした。
 島村先生からしたら興味がない話かもしれませんが、私が栄養士の道を志したきっかけは高校の家庭科で見た“味覚障害によって治療を受けている20代の女性のドキュメンタリー(?)”でした。家庭科の先生からは「若い人に増えているから亜鉛不足に気を付けよう」という簡単な説明と感想文で終わったような授業でした。しかし、自身にとって未知の栄養素、欠乏することで発症する症状を目の当たりにして、かつ普段の“食”を自明に感じていた私は、そのドキュメンタリーで女性が話していた「お肉がゴムにしか感じません。食パンは、スポンジなんです。」と語っていた言葉が今でも忘れることができません。さらに、欠乏症(味覚障害)を発症した時、すぐに完治するものではないという話をきいて、発症するまでには時間がかかるけれど、治るまでに時間がかかるなら、「普段から摂取しなければいけないのか…、食を楽しむことができるのは当たり前ではないのか…」とひたすらに感じました。これが、栄養士を志したきっかけになったのです。先生がおっしゃっていたように精神的に味覚・好き嫌いに影響するという話も、孤食という近年の食問題においては、味覚障害と同じように「食を楽しむ」ことにおいて必要なことだと、そのように普段自身の回りにめぐる食に興味を持てたのは、今日学んだ“味覚”でした。
 改めて、今までゴムのよう、スポンジの用、と文面で理解していたことを「砂糖が砂になる」という実体験にできたことは、私の人生の中で本当に素晴らしい経験です。今日という日を忘れることはないと思います。さらに、味覚障害という観点からギムネマで甘味を感じなくなるだけでなく、ミラクルフルーツで酸味を甘味にという事は、のどの奥の味蕾の存在を認知することにまで至りました。また、喉頭蓋のあたりの味蕾が二酸化炭素に反応しやすいことなどを聞き、新たな知識も付きました。最後のミラクルフルーツの際には、レモン果汁を飲んだら、講義後少し経つと胸やけのようになったのも、脳をだますというか、実際と違う感覚を伝達していることを強烈に感じました。上記のこと以外にも、はるか昔から人類の進化にかかわるその観点についてなど島村先生の講義で初めて知ったこと、知ってはいたけれど、その奥にある元来の理由・原因(視覚的情報)などについて普段流していたようなこと(赤ちゃんの離乳食が薄味でも大丈夫な理由、好き嫌いのメカニズム《知ると納得な内容でした。》混んでいるお店選んでしまう人の性質の話)本当に感じたことは多くありました。本当にありがとうございました。来年も、ぜひ後輩たちにも自身で感じることで、食を大切にする心や、周囲の人、患者さん、食に一生寄り添える人間の育成につながるような重要で唯一無二の講義でした。私たちが島村先生と同じ年になったときに社会的により理解や認知が深まってほしい内容でした。植物により人類の味覚といういまだに謎が多い分野の解明につながること、味覚にはカルシウム味や油の味などまだ存在しない味がうま味のように可能性として存在すること食物栄養学科を去る前に知ることができて、岐阜市立女子短期大学に来たこと、岐阜市立女子短期大学が島村先生と御縁があったことをよかったと思いました。



Eさん 

 今回、私は初めて島村光治先生の講義を受けました。今まで授業などでは感じることのできなかったことや、代表者だけが体験するものでその他の人はつまらない状態で終わってしまうことがありました。なので、全員が体験し、学ぶことのできる講義でしっかりとした根拠がある説明があったのでとても勉強になりました。
 私は今回の講義を受け、初めてギムネマという植物を知りました。ギムネマは味覚阻害植物で、かじると苦い葉であるがその後甘いものを食べると甘みを感じないという植物であると知りました。講義の中でギムネマの葉によって甘さを感じることができなくなり砂糖が砂のように感じられる体験をして味覚障害という病気はとても怖いものだと感じました。ギムネマはその他にも体の中で作用することでさまざまな健康効果を発揮することも言われているのでもっと調べてみたいと思いました。今、食生活の変化による若い世代の味覚障害が増えているということは知っていたがその事実を他人事としてみていたと気づき興味を持ちました2)。味を感じられるということはとてもありがたいことで当たり前ではなく、私が今回の講義で感じたような砂糖が砂のようになる経験に実生活の中で苦しんでいるということを知ってそうならないように亜鉛に気をつけていきたいと思いました。
 また、ミラクルフルーツは聞いたことがあったが自分で体験したことがなかったので、酸味が甘みに感じられ酸っぱい食べ物を甘く感じることができてとても貴重な体験でした。酸っぱいものを甘く感じることができれば糖分の摂取制限されている人でも甘みを感じることができて生活の質を維持したまま生活する手助けとしてよいのではないかと感じました。ミラクルフルーツに含まれるミラクリンがレモンや酢などの酸味と反応し、舌の甘味を感じる部分に強く働きかけて、「甘い」という感覚を「酸っぱい」という感覚よりも強く脳まで伝達するからで食物本来の味とは違う味覚をもたらすため、味覚修飾植物と呼ばれていて日本では人工栽培でしかなく、1週間ほどで劣化してしまい流通はなかなか難しいフルーツといわれていたが、今回私たちはタブレットにしたもので体験をしました。これは収穫後種を取り除き、実の部分だけを氷点下20度以下で乾燥、粉砕することでミラクリンを残したまま錠剤にされたもので長期保存も可能1)ということを知って驚きました。今までミラクルフルーツという名前だけが広まっていて実際にミラクルフルーツを食べて味覚の変化を体験したことのある人は少ないと思うので、もっと多くの人に今回の経験をして私が今回感じたような味蕾の大切さや味を感じられるということについて考えてほしいと感じました。
 また、今回の講義において味蕾の不思議について考えました。人にとっておいしいと感じる要因はさまざまですが、扁桃体の働きで情報に基づくおいしさを感じることができるのは人間特有であるということを知りました。情報によって今までおいしいと思って食べていたものがおいしく感じられなくなる経験はあったので、それが人間特有ということを知りとても勉強になりました。味蕾の数や役割は動物によっても異なり、草食動物は草を食べて生活していくうえで、体に毒がある植物が混ざっていたときに判別することができるように発達しているが肉食動物は食べられるものしか捕らえていないため味蕾が発達する必要がなく数が少ないと聞いてどちらも生きていく上で役に立つものがおいしいと感じられるように発達してきて自然のすばらしさを感じました。そのほかにも目が悪い(濁っていて見られない)ナマズは最も味蕾が多く、体中に存在していて生きるための情報を味蕾から得ているということに衝撃を受けました。人間も、舌だけで味を感じているわけではなく軟口蓋や喉などにもみらいが存在していて全体で味を感じとっていて個数にも個人差があるため幅を持たせているということを初めて知りました。
 私は今回の講義で味覚障害の疑似体験や味覚について知ることができました。初めての経験を得て今までにない考えを持つことができ、新たに興味を持ったことがあったので調べてみたいと思いました。今後は、講義の内容を活かして実生活に活かして期待です。そしてもっと味蕾のことや今回のような体験を広めていきたいと思います。貴重な講義をありがとうございました。

■参考文献
・日経ウェブサイト  閲覧日:平成30年1月25日
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/420164.html
・ギムネマ 成分情報 閲覧日:平成30年1月25日
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/gymnema/



Fさん 

 私は、講義を受けるまで味覚地図を信じていました。それは、学科が食物栄養学科ということで、島村先生の講義を受ける前に学校で解剖生理学の実験を行ったことがきっかけです。学校での実験内容は、2名1組で検者、被検者となり、交代して全員が味覚検査を受けるというものでした。5つの基本味、甘味・酸味・塩味・苦味・うま味をそれぞれ10%ショ糖溶液0.5%塩酸溶液、10%塩化ナトリウム溶液、0.5%塩酸キニーネ溶液、2%グルタミン酸ナトリウム溶液の試薬を用い、原液、10倍希釈、100倍希釈の溶液を用いた味覚検査を行いました。その後、溶液を染み込ませた直径6mmの濾紙をピンセットで舌に置き、記録用紙に結果を記入しました。舌は11箇所に分け、それぞれの場所でそれぞれの味を検査するというものでした。実験後は、味覚地図を作り、提出する課題がありました。
 参考書には味覚地図が載っており、教科書には舌の後部では苦味や、うま味にやや敏感と書かれていましたが、実際に自分が感じた場所が違ったため、実験には多くの時間を要し、地図作りにも苦戦しました。
 しかし、そのときは味覚地図を作るのが課題であり、どの場所でどの味を感じたのかの決断を迫られたときには「教科書に載っているものだから正しいだろう」「ここは苦味に敏感だと書かれているしここは苦かった気がする」と思い込み、「味を感じる味蕾は、軟口蓋、口蓋垂、咽頭にも分布するが、大部分は舌乳頭である茸状乳頭、有郭乳頭、葉状乳頭にあり、糸状乳頭にはないことから、苦い薬は糸状乳頭のある舌の先の方で飲むと楽に飲める。反対に、茸状乳頭、有郭乳頭、葉状乳頭のある舌根の方で飲むととても苦くなると言える。」という結論を出しました。また、教科書の味覚地図と自分たちの味覚地図を比較すると、味を感じやすい部位、感じにくい部位は共通するが、どの味が感じやすいかについては異なる結果が出たことについても、実験操作が不十分であったことや個人差を理由にするしかありませんでした。これは島村先生の講義で習った扁桃体の働きであり、人間の思い込みや先入観は恐ろしいものだと感じました。同時に、自分の感じたことを信じることや正しい情報を選択することの大切さを学びました。
 島村先生の講義を聞いた次の日に、解剖生理学の実験で何の味かわからない水を飲んで何の味かを記入していくという実験をしました。このときは講義前に行った実験のように溶液を染み込ませた直径6mmの濾紙をピンセットで舌の特定の場所に置くのとは異なり、舌全体で味ってから、飲むことができました。やはり、舌の一部分よりも舌全体で味わい、飲み込んだほうが味は感じやすかったです。
 島村先生の講義で味蕾は舌全体にあることや舌だけでなく、軟口蓋や喉頭蓋にもあるとお聞きしました。軟口蓋や喉頭蓋にもあるというのは初めて知ったのですが、学校の実験で水の味を確かめるときに、軟口蓋や喉頭蓋にもあることを飲みながら実感し、島村先生の講義を思い出して感動しました。
 私は、島村先生の講義を受けるまで、ミラクルフルーツやギムネマを見たことも聞いたこともありませんでした。味蕾の数は、調理師などの職に携わる人が多いと思っており、味覚地図も信じていたため、講義の内容は驚くことや勉強になることばかりで、お話にも、体験にも夢中になりました。
 特に、味蕾の数について、口に入れることで食べられるものか判断する必要がある赤ちゃん、毒のある草かを見分ける必要のある草食動物、目の悪いなまずなど味蕾の多い生き物にもきちんと理由があり、生きていくために必要であるから多いことを島村先生の説明で納得したことが印象に残っています。
 島村先生の講義を受けたことで食に対する知識がさらに深まりました。また、それだけでなく、味覚が変わる不思議を体験したことで、味覚障害という病気の辛さを感じ、味を感じられるという幸せを改めて感じました。さらに、味覚修飾植物は多くの患者の負担を減らし、満足感を与える可能性を秘めていると知ったため、今後の医療現場の未来が明るいものであることを願っています。
 そして、今回の講義で味覚障害の体験をしたというだけで終わらせず、食に関係する仕事に携わる際は勿論、友人や家族にも加工食品に頼りすぎることの危険性や味を感じられることへ感謝をする大切さを伝えていこうと思います。

■参考文献
・島村先生のホームページ
・島村先生の講義でいただいた資料(島村光治:驚きの味覚体験〜ミラクルフルーツとギムネマ〜)



Gさん 

 講義を受けて、味覚について様々なことを学びました。一番印象的だったのは、動物の味覚は、生きていくうえで役に立つものが美味しいと感じられているということです。自然界は弱肉強食なので、動物自身に必要な栄養素が美味しく感じられたり、他の動物にとって毒となる植物が美味しく感じられたりすることで、本能的に生き延びようとしていることに納得しました。
 一方、人間には理性があり、学習能力があります。人間の中で赤ちゃんが一番味蕾を多く持っているため、腐敗物のシグナルである酸味や、毒のシグナルである苦味は、子供のころは本能的に嫌悪感を抱きやすいですが、酸味のある食べ物や、苦味のある食べ物が身体に害がないと食べていくうちに学習していきます。そうすることで、酸味や苦味があっても美味しく感じられるようになることが分かりました。
 おなかがいっぱいの時よりすいているときの方が、ご飯が美味しく感じると言いますが、ご飯の味は一緒でそんなことはないと思っていました。しかし、おなかがすいているときは、満腹の時より栄養が不足し、身体が食べ物を欲しているため、本能的に美味しく感じると考えると間違いではないと思いました。
 ギムネマを用いて、甘味が感じないとどうなるか、体験しました。グラニュー糖は砂のように感じ、チョコレートはしょっぱいバターのように感じました。味覚障害を一時体験してみて、食生活は人生の中でQOLに大きく影響するものだと思うので、味が感じないということは、食べる楽しみを奪うだけでなく、ストレスにもなるのではないかと感じました。味覚障害の原因として、偏った食生活による亜鉛不足、加齢、嗅覚の低下に伴う味覚の低下、薬の副作用などがあげられます1)。私たちにとって亜鉛不足が最も身近な原因だと思われます。亜鉛が不足することによって、味蕾の新陳代謝が十分に行われなくなるため、味覚障害が起ると言われています1)。最近では、加工食品やファストフードが気軽に食べられるようになり、和食離れが起きているといわれています。和食に多く用いられている貝類、魚、日本茶、海藻には亜鉛が多く含まれているため、食生活の見直しが大切だと分かりました。和食は、味覚だけでなく、たんぱく質、脂質のバランスがよく、適量のエネルギーを摂取でき、伝統ある食事のため、健康や味覚を維持するために、和食を取り入れるようにすることが大切であると考えました。
 また、ミラクルフルーツを用いて、酸っぱいものが甘く感じる体験をしました。食べられないくらい酸っぱいものが、とても美味しく感じられました。糖尿病患者に対して、学校の授業で低エネルギー食の献立を作成するとき、低エネルギー甘味料を用いて、甘さを保ちつつ、エネルギーを低くするように工夫をしますが、今回の講義で用いたヨーグルトや、レモンなどの果物に砂糖を使うのではなく、ミラクルフルーツを使えば、甘さを感じることができて良いと思いました。糖尿病患者がストレスなく、治療をしていくために1つの手段としてミラクルフルーツが普及するのは良いことだと思いました。
 講義を受ける前は、ギムネマやミラクルフルーツというものを知りませんでしたが、味を変えてしまう植物があることを知ることができて良かったと思います。普段、栄養について学習している私たちですらこれらの植物を知っている人は少なかったので、一般の人はなおさら知らない人の方が多いと思います。味は私たちの生活にとって、とても身近なものですが、当たり前に感じられているものなので、興味が向きにくいですが、体験し、不思議に感じることで味覚の大切さが理解できると思いました。食を学ぶ時は、栄養の方に注目していまいますが、味覚について知る良い機会になりました。楽しい講義をありがとうございました。

■参考文献
・味覚障害 症状・疾患ナビ 2018年1月28日閲覧
http://takeda-kenko.jp/navi/navi.php?key=mikakushogai