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■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2007/1/11に実施した川村学園女子大学教育学部の皆さんのレポートです。





Aさん 

 普段、私たちは体調を整えるためにサプリメントをとったり、体調管理に気を配ったりしますが、「味覚」まで意識して管理することはあまりありません。食事も、舌で味わうという感覚は私自身の中では薄く、「食べる」→「味がする」という単純な流れで食を味わっているように思います。
 本当は、きちんと味わい、かみしめて食事を楽しみたい気持ちはあるのに、朝は忙しく、昼は外食、夜は時間が合わず出来合いのものを軽く口に入れるだけ…。そんな食生活の中で、味に対してだんだん鈍感になっていくことに危機感を覚えつつも、食生活を正すことは簡単ではありません。
 ふと考えるのですが、ものを食べるとき、私たちは無意識に「味のイメージ」を先に思い描いているのではないでしょうか。チョコレートなら「甘い」という経験からくるイメージを持って口に入れる。実際に食べてみてもそのイメージ通りなので、味覚に違和感を持つことはありません。
 今回の授業で、初めて「味覚修飾植物」という言葉を知り、ギムネマとミラクルフルーツの実験を体験しました。甘いものが甘く感じない、酸味のあるものが甘く感じる——この体験は本当に驚きの連続でした。
 ギムネマの実験では、砂糖を使いました。砂糖=甘いというイメージは絶対的なものです。ギムネマを食べる前に砂糖が甘いことも確認しました。しかし、ギムネマを食べた後に砂糖を口にすると、甘さはまったくなく、ただの砂のようでした。
 甘いはずの砂糖が甘くない。舌は必死に甘さを探し、脳は「甘いはずだ」と待っているのに、どこにも甘さがない。その瞬間、思考が混乱し、眉間にしわが寄るほどでした。私たちの舌はただ味を感じているだけではなく、パズルのように味を当てはめて理解しているのだと、身体で実感しました。
 そして同時に、私は普段いかに「食べる」ことばかりに意識が向き、「味わう」ことを置き去りにしていたのかを痛感しました。
 コンビニやスーパーで出来合いのものを買うことが当たり前になった今、本物の味がわからなくなってきてはいないでしょうか。添加物や化学調味料を見直す風潮があっても、科学的な味は私たちの周りにあふれています。「なんか違うな」と思いつつもおいしいと感じてしまう。そして「食べたいから食べる」という行動が続く。飢えることがない現代だからこそ、味に対して無頓着になっているのかもしれません。
 今回の授業で、味覚の仕組みや味覚修飾植物について正しい知識を得られただけでなく、「味覚」というものを改めて深く考えるきっかけになりました。



Bさん 

 甘味を感じなくなったり、酸味が甘味として強く感じられたりする——舌の構造や味を感じる仕組みを説明していただいても、実際に自分で体験するとその不思議な感覚に強い驚きを覚えました。
 舌には複雑な仕組みがあり、それらの器官が働くことで私たちは味を認識していることがよく分かりました。そして、ミラクルフルーツやギムネマのように、特殊な物質を含む植物によって感じる味が変化するという事実に深い興味を惹かれました。今回体験した二種類以外にも、味覚を変化させる植物があると聞き、植物の不思議さにも心が動かされました。
 味覚修飾植物の応用として、糖尿病患者や肥満の治療に役立てられるという話を聞き、強く感動しました。味覚が変わるという面白さだけでなく、それをどのように人の健康に役立てられるかを考え、実際に応用されていることがすばらしいと感じました。
 今の日本は食べ物が豊かで、飢えることはほとんどありません。その一方で、子どもたちは食べることに無関心になり、自分が何を口にしているのか深く考えることが少なくなっています。大人でも、調理された料理の原料を知らないまま「おいしい」と言って食べていることがあります。これは、食べることが当たり前になり、味わうことを忘れてしまっているからだと思います。
 そこで、最近広まっている食育の中で、この味覚体験を児童に取り入れ、味を感じる仕組みや好き嫌いのメカニズムを教えることができれば、給食への向き合い方が大きく変わるのではないでしょうか。人が「おいしい」と感じる理由を知れば、体育のあとにはスポーツ飲料が飲みたくなる、算数で頭を使ったあとには甘いものが食べたくなる、といった自分の体の声を理解できるようになります。また、脂は薬理学的なおいしさであって、体が本当に求めているわけではないと知れば、脂質のとりすぎによる肥満も減るかもしれません。
 味覚修飾物質の新しい利用法が今後さらに見つかり、実際に役立てられるようになることを期待しています。



Cさん 

 今回体験したミラクルフルーツとギムネマは、今まで一度も経験したことのない授業でした。ギムネマを食べたあとにチョコレートを食べると、甘かったはずのチョコがビターチョコのようになり、砂糖はまるで砂のように感じられました。ミラクルフルーツでは、レモンエキス入りのヨーグルトやグレープフルーツジュースが甘く感じられ、その甘さには本当に驚きました。しかし、これらは食べ物の味そのものを変えているのではなく、舌に一時的な“いたずら”をして味覚を変化させているのだと知り、味覚修飾物質という概念を初めて理解しました。
 もう一つ驚いたのは、「辛味や渋味は味覚ではない」ということでした。特に辛味については、「甘いの反対は?」と聞かれれば多くの人が「辛い」と答えると思います。しかし「辛い味とは?」と問われると、「舌がヒリヒリする」「ピリッと痛む感じ」としか説明できず、それが“感覚”であって“味覚”ではないということに妙に納得しました。甘味には種類があるのに、辛味にはそうした分類がないことも、辛味が味覚ではない証拠のように思えました。
 また、舌の感度が高い理由や、酸味・苦味を危険と判断する祖先の経験にも深く納得しました。私自身も小さいころは酸味や苦味が苦手で、ビターチョコやすっぱいお菓子は食べられませんでした。しかし今では甘いお菓子よりもそれらを好んで食べています。これは、酸味や苦味を危険と判断する本能が赤ちゃんの頃には強く働き、味蕾の数が多いことも関係しているのだと理解できました。成長するにつれて「これは安全な食べ物だ」と学習し、食べられるようになったのでしょう。プリントにあった「人間にとっての味覚とは経験と学習である」という言葉は、まさにその通りだと感じました。
 私は食わず嫌いなものが多く、うに・牡蠣・らっきょうなどは見た目やにおいで「絶対に口に合わない」と思い込んでいました。しかし、この授業を通して、一度は食べてみる必要があると強く感じました。
 教職の授業を取っていることもあり、子どもの食生活の偏りがどのように影響するのかという話は特に勉強になりました。12歳までにきちんとした食生活を送らないと、その後の食習慣に大きな影響が出るということ、偏った食事や朝食を食べずに登校することが学力低下以上の問題につながることを知り、食育の重要性を改めて実感しました。



Dさん 

 今回の授業を通して、さまざまなことを知ることができ、大変有意義な時間を過ごせました。特にミラクルフルーツとギムネマの体験は、以前本で読んで知識としては知っていたものの、実物に触れて体験する機会はなかったため、とても貴重な経験になりました。実際に試してみると、想像以上に味覚が変化し、その強い効果に驚かされました。これほどの変化が起こるなら、今後ダイエット関連の商品としてさらに応用されていくのではないかと感じました。
 他にも、興味深い内容が多く、自分の経験と結びつけながら納得して理解することができました。
 まず、味覚地図についてです。今まで「舌の場所ごとに感じる味が違う」と教わってきましたが、実際にはその地図が誤りであることを知り、間違った知識のまま覚えずに済んだことを嬉しく思いました。自分自身も、場所によって味が大きく違うとは感じていなかったので、今回の説明で長年の疑問が解消されました。
 また、好き嫌いのメカニズムについても深く納得しました。私が貝を苦手になった理由を振り返ると、①貝の中身の見た目がグロテスクで「第一印象」が悪かったこと、③砂が入っていて口の中でジャリっとする「経験」が嫌だったこと、この二つが原因であると気づきました。自分の好き嫌いにもきちんと理由があるのだと理解できました。
 さらに、「脂をおいしいと感じる理由」についての話も印象的でした。スーパーやコンビニで売られている多くの食品——弁当のおかず、惣菜、お菓子、さらにはご飯や饅頭にまで脂が使われていること、そして脂が嫌いだという人がほとんどいないことを考えると、私たちの身体には狩猟時代の経験がどこかに記憶されているのだと実感しました。脂を求める感覚は、現代の食生活にも強く影響しているのだと納得しました。
 味覚や食べ物についての大学での授業は今回が初めてで、とても勉強になりました。授業名とは少し離れる内容もありましたが、今は「食育」が重要視される時代です。今回のような食に関する知識を得る機会をいただけたことを大変嬉しく思います。貴重な講義をありがとうございました。



Eさん 

 今回の講義で、私はミラクルフルーツというものを初めて知りました。ミラクルフルーツが酸っぱいものを甘く感じさせると聞き、とても興味を持ち、講義を受けるのを楽しみにしていました。
 最初に味を感じる仕組みについての話を聞いたとき、「こんなにも身近な味覚について何も知らなかったんだ」と気づかされました。味を感じるには、食べ物が唾液と混ざって水溶液になることが必要であること、そして味蕾という器官が味を判別していることを初めて知りました。
 味蕾の判別方法を「鍵と鍵穴の関係」で説明していただいたことで、味にはそれぞれ専用の鍵穴があり、そこに鍵がぴったり合うとスイッチが入り、電気信号として脳に伝わるという仕組みがとてもよく理解できました。
 赤ちゃんの味蕾が12,000個もあること、顔はあんなに小さいのに大人の倍以上あることに驚きました。また、ナマズは200,000個も味蕾があり、しかも口の中ではなく皮膚やひげに味蕾があること、その味蕾で敵を感知することなど、初めて知ることばかりで新鮮でした。
 味覚地図が間違いだったことを知り、昔テレビで見た情報が誤りだったと分かって少しショックでした。
 ギムネマを試食したときは、チョコがべっとりした油の塊のように感じられたことに驚きました。チョコが好きだったので、その不味さにショックも大きかったです。ココアも甘さがなく、美味しくありませんでした。「好きなものは試してはいけないな」と思ったほどです。
 ミラクルフルーツのタブレットは梅干しのような味で、想像していたよりずっと酸っぱく、甘いものだと思っていたので意外でした。レモンもヨーグルトも普段は酸っぱくて苦手ですが、甘く感じられたので本当に驚きました。あんなに美味しくレモン汁のかかったヨーグルトを食べられたのは初めてです。
 また、このタブレットが糖尿病患者さんの役に立っていると知り、納得しました。親戚のおじさんが糖尿病なので、甘いものが好きなおじさんにも試してもらいたいと思いました。