味な話
「味な話」と題して身近な味や食に関する情報を紹介します。
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第60話:最近のトマトはなぜ「桃太郎」ばかりなのか?(2011年11月27日掲載)
最近スーパー等で売られているトマトは「桃太郎」ばかりということに気付いたと思います。これには理由があります。輸送技術の発達で、各地で生産されたトマトは全国に出荷されるようになり、赤いけれども皮が硬め(輸送時の痛みに強い)
の品種が好まれたからです。
従来品種は熟したものは赤いのですが皮が柔らかく痛みやすいという欠点がありました。逆に青いと硬いですが熟していない状態で出荷すると、味はおいしくないですよね。
そのため、熟しても皮が硬めで輸送時に傷みにくい桃太郎のような品種改良がされたとたん、一気に普及したわけです。
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第59話:近年のボージョレヌーボーの特徴は?(2011年11月20日掲載)
近年の流通面の特徴として、全てではありませんが、ペットボトルを採用したことと、ハーフサイズを採用したことが挙げられます。
瓶からペットボトルにしたことで、重量が軽くなり、割れる心配が少なくなったということです。欠点としては 何年も保管はできないということです。最も、ボージョレヌーボーは新鮮さを楽しむワインなので何年も保管しても意味がありませんが。
また、1人暮らしの層にも浸透させるため、ハーフサイズでも売り出ししました。ライフスタイルの変化に合わせて工夫をしたことがわかります。
ボージョレかボジョレーかはメーカーによって表現が異なっており、日本では統一されていないため、今回はボージョレと表現させていただきました。
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第58話:グレープフルーツの名前の由来とは?(2011年11月13日掲載予定)
ぶどうとぜんぜん見た目も味も違うのに、なぜ「グレープ」フルーツなのでしょうか?
アメリカでの栽培光景を見ると分かりますが、ぶどうのように1つの枝にたくさん実がつくのです。 その見た目がぶどうのようだとのことで、「グレープ」フルーツというのです。
余談ですが、小職の自宅の庭でグレープフルーツの木を植えていますが、毎年1個結実するのがやっとですので、アメリカでの栽培光景の再現は日本では無理のようです。
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第57話:お値打ちな「ネギトロ」の正体は?(2011年11月6日掲載予定)
回転寿司やスーパーでお値打ちなネギトロが売っていますよね。なぜ安いのでしょうか?
マグロの赤身に植物油を添加したものだからです。赤身は安価ですし、刺身の残りの部分や安い品種のマグロに植物油もしくはそれに類したものを添加するだけで、食感はネギトロになってしまうのです。
本来のネギトロは高価なトロの部分を用いているわけですから、トロと同様の値段がするはずですよね。 高級すし屋にいくと本物を食べれますが、回転寿司では上記のものを使用していると思ってください。
(以前テレビの取材で以前5貫で5000円の寿司を食べましたが、違いますね。。。)
本物の味を知らないまま、赤身+植物油がネギトロの本当の味だと思ってしまっている方も多いと思います。 元来、すし自体高級品でしたから、回転寿司ができて、ポピュラーになりました。
余談ですが、寿司ネタのサーモンは養殖品を用いなければ寄生虫の関係で、 生では食べられません。(国産の鮭のすしや刺身がないのはそのためです。)、空輸ですぐに世界から運ばれると
輸送技術の進化も言うまでもありません。羽田の国際化で、保冷倉庫も新設されたので、さらに増えると思われます。 話がそれましたが、この原理を応用すると赤身のお肉と一緒に国産牛の脂肪と一緒に焼くことで、お肉が多少おいしくなります。
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第56話:讃岐うどんの小麦の原産地は?(2011年10月30日掲載)
国産の小麦は黄色いため、うどんにしたときの白さがなく、おいしそうに見えないため、ほとんどはオーストラリアから輸入しています。約97%がオーストラリア産です。国産よりもコシがあって、うどんとしてはおいしい品種だからです。
しかし、『さぬきの夢2000』という新品種も開発され、讃岐地方で栽培していますが、讃岐うどん全体の割合としては数パーセントです。第55話の『仙台牛タン』と一緒で、必ずしもそこの名産だからそこの原材料というわけではないということです。
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第55話:仙台名物牛タンの原産地は?(2011年10月23日掲載)
仙台名物として有名な牛タン、どこの牛でしょうか? 実は国産ではなく、オーストラリア産です。BSE発生前はアメリカ産が主でした。
牛の舌の部分は1頭の牛からたくさん取れるものではありません。 そのため、国産では不足するため、オーストラリアの牛の舌を輸入して仙台牛タンとしているのです。
余談ですが、和牛と国産牛の違いですが
和牛:黒毛和種、日本短角種、無角和種、褐色和種などのお肉を食べるための牛(銘柄で決まっています。)
国産牛:日本で長いこと育った牛(ホルスタイン、交雑牛、アンガス種等)のことを指ます。
つまり和牛も国産牛に含まれますが、和牛とした方が高価になるため、和牛表示をするわけです。
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第54話:「ずわいがに」「松葉かに」「越前かに」の違いとは?(2011年10月16日掲載)
全て同じものです。地方によって呼び名が異なるだけです。こちらはカニの仲間です。(第48話で紹介したようにタラバカニはヤドカリの仲間です。
余談ですが、鯖でも同じようなことがありますよね。大分側で獲れれば関さば、四国側で獲れたものは岬さばですよね。関さばの方が値段が高く取引されるため、関さばを名乗る漁船が多いですが、どこからが違うのかという厳密な定義はありません。無論魚ですから、いつも動き回っているので、そのような区分があまり意味がないことも分かると思います。
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第53話:なぜイカ墨はあってタコ墨はないの?(2011年10月9日掲載予定)
イカの墨にはうま味成分のアミノ酸や脂質などが豊富に含まれています(粘性が高い)。一方、タコの墨はさらさらしており、 料理には適していないからです。
イカは粘液状の墨の塊を吐いて、自分の分身を作って敵の注意をそちらに向けさせて逃げます。 タコの場合は、水中に煙幕を広げる形で、身を隠しているので、墨の用途が違うのですね。
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第52話:加熱用かきと生食用かきの違いとは?(2011年10月2日掲載)
授業の際、学生の皆さんにこの質問をしますと「育った海域の違い」だとか、「新鮮なものは生食」だとか意見が分かれますが、正しくは以下の通りです。
牡蠣の食中毒は、牡蠣が海水から吸い込んだ菌によるものです。加熱すれば菌は死ぬので問題ないのですが、 生で食べると消化器官の中で菌が繁殖して、食中毒を起こすのです。この菌を取り除くために、紫外線殺菌装置
で殺菌した海水が循環している水槽に牡蠣をいれておくと、2、3日で菌のいない牡蠣ができます。
こうした処置 をした牡蠣が「生食用」の牡蠣、とれたままの牡蠣が「加熱用」です。2、3日、餌をもらえない牡蠣はそれだけやせ細ります。ですから、加熱して食べる分には、「加熱用」の方がおいしいです。(値段が高いからといって、「生食用」
の牡蠣で牡蠣フライを作るのは、お金を余分に払ってまずいものを作ることになります)
よく新鮮なものが生食用、鮮度の悪いものが加熱用と思っている人が多いですが、そういうわけではありませんので、正しい認識を持ってほしいと思います。
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第51話:食べ物の「訳あり品」って?(2011年9月25日掲載)
景気が悪くなると、「訳あり品」がはやりますね。 傷物だったり、ケーキ等の端の部分だったり、カニの足が1本なかったり、更に言えば、作りすぎてしまったなど、
色々なケースがあります。
味は高級品と同じなので、見た目さえ意識しなければ、お値打ちに食べれるわけですから、景気が悪くなると人気がでるわけです。他には、廃棄していたものを有効活用するというものもあります。
あと、インターネットや輸送手段の普及が大きいですね。
小職がたまにいくオムライスのお店も、オムライスは裏メニューで本当はステーキ屋さんなのです。 ステーキ用の松坂牛の切れ端を使用しているため、価格はお値打ちで、裏メニューという扱いなのです。
もちろん味はおいしく、お値打ちな値段のため、ありがたいお店です。
余談ですが、農作物は輸送の関係上曲がり具合などの規定があり、形がいいものが好まれます。 それ以外のものは農家自身が使ったり、加工品(漬物など)になったり、野菜価格高騰時に出てきたりするわけです。
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