味な話
「味な話」と題して身近な味や食に関する情報を紹介します。
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第20話:誰もが好きな・嫌いな食材ってあるの?(2011年2月20日掲載)
人間の味覚は「経験と学習」です。従って、全ての人が好きな・嫌いな食べ物は存在しないわけです。育ってきた環境や文化、その時の気分(鍋焼きうどんが好きでも、真夏に食べたいとは思わないですよね。)によって変わってきます。
しかしながら、商売をする会社は少しでも多くの方が好む味を売る方が儲かるわけですから、そのような方向にシフトしています。
例えば、みかんも今は甘い品種が主ですよね。また、梅干も健康志向で塩分控えめが主ですよね。 でも、これらにはいいことばかりではなく、デメリットも存在します。
それは痛みやすいということです。 酸っぱいみかんや塩分が多い梅干はその酸度や塩分量の働きで長期間の保存が利いていたのですが、これらの成分を減少させることで、
保存が可能な期間が短くなるのです。
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第19話:世界三大珍味っておいしいの?(2011年2月13日掲載)
世界三大珍味といえばキャビア・フォアグラ、トリュフですよね。
キャビアはチョウザメの卵で、フォアグラはダチョウの肥大化させた肝臓、トリュフはきのこの一種です。 ある意味珍しいものですが、正体を知ると、別にそんな単品で食べたいというものではないことに気づきます。
日本でもチョウザメの人工養殖は温泉地等で行われております。今は高価ながらも日本製のキャビアもありますよ。 チョウザメの原産地の黒海では漁獲量が減少しておりますし、水質も悪くなっています。
また、フォアグラはダチョウにえさを無理やり多めに与えて太らせているため、動物愛護団体からは 苦情が出ています。
トリュフはきのこの一種です。
フランス料理のアクセントとしてはちょうど良い感じがしますが、キャビアなんか本物か分かって食べている人はどのくらいいるか疑問なところはあります。
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第18話:シシャモの正体とは?(2011年2月6日掲載)
居酒屋で食べたり、スーパーで子持ちししゃもは安価に食べることができますが、実は本物ではありません。 正体はカペリンという魚です。 ししゃもとカペリンの違いは、見た目は似ていますが、生態はまるっきり異なります。
ししゃもは鮭と同じで川で生まれて海で育ち、川に帰ってきます。従って、産卵に戻ってくる率はものすごく少ないわけです。
カペリンは北海(イギリス周辺)で育つ回遊魚で現地では家畜のえさとして使われていました。 ししゃもの漁獲高の現象に伴い、日本の大手商社がカペリンに目を付け、ししゃもとして販売したのです。
現在ではそのようなことは許されていないのですが、当時の法律ではそこまで規定されておらず、カペリン=ししゃも(最近では樺太ししゃもと記載されています。)となったわけです。
本物のシシャモを食べたいのであれば、百貨店で行う北海道展にいくと入手できると思います。カペリンより脂がのっていておいしいですよ。
余談ですが、このような形で流通しているものに「メロ」や「ホキ」などがあります。聞きなれない魚だと思いますが、白身魚の照り焼きやフライなどでしょっちゅう口にしています。冷凍食品の原材料欄を見るとよく分かります。
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第17話:ピーマンの本当の味は?(2011年1月30日掲載)
私たちが普段食べている緑色のピーマンは熟していません。青いみかんを食べるのと同じです。 熟すとカラフルなパプリカになり、甘味が増します。 第16話で記載の通り、苦いのも発芽できる準備ができていないため、食べられないようにしている防御の表れなんです。 じゃあ、なぜ緑色のものを食べるかですが、苗にたくさん実がつきすぎるため、摘果したものの有効利用のためなんですね。 そうしないと、実がつきすぎて、1個当たりの大きさが小さくなってしまいます。
子供は苦味を毒のシグナルとして認知するため、ピーマンを嫌がる人が多いですが、大人になるとほとんどの人が食べれるようになります。 ちなみに緑色のピーマンの苦味を抑えるには、切らないで加熱します。加熱してから切るというのが効果的です。
従って、熟していない緑色のピーマンより熟しているパプリカの方が栄養はあります。ビタミンCなんかも約1.8倍くらい青ピーマンより多いです。 ただ、熟すまでの時間や手間がかかっている分、価格もそれ以上高いわけです。
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第16話:果物が熟すと色が変わるのはなぜ?(2011年1月23日掲載)
植物は動くことができません。そのため、子孫を増やすために果実の色を変える戦略に出たのですね。 熟した果実の中には発芽準備のできた種子が入っています。鳥や他の生き物に食べてもらって種を運んでもらうために、
進化した結果なのです。そのため、熟していない果実内の種は発芽準備ができていませんのでおいしくないのです。
ちなみにミラクルフルーツの効果は人間とサルにしかありません。熟したときに味覚修飾物質であるミラクリンという糖たんぱく質が合成されるようになります。第15話で紹介した人間とサル:別腹コンビですね。人間やサルに種を運んでもらったり育ててもらおうとしている戦略だと推測できます。
ちなみに、種のない植物で人間に栽培してもらうことで殖えたものもあります。 バナナやパイナップルです。 バナナの種はゴマみたいな感じで、これは種が退化したものです。人間が品種改良をして種を極限まで小さくしたのです。原種は種が大きくごつごつしていて 食べるのが大変なくらいです。 また、パイナップルには種がありません。市販のパインを見ると上に葉っぱのようなものがありますよね。そこを植えるとパインがなります。 上述の通り人間に育ててもらうことで、進化、共存してきたわけです。
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第15話:なぜ別腹は人間とサルにしかないのか?(2011年1月16日掲載)
別腹は人間とサルにしかありません。野生の動物は食べ過ぎると太って逃げ足が遅くなるため、おなかがいっぱいになったら目の前に獲物があっても それ以上食べません。人間やサルは襲われる心配がないため、別腹ができたんですね。
別腹の仕組みですが、お腹がいっぱいになってから、大好きなものを見ると「食べたい」と思うわけです。そうすると、脳から食べたいという指示が出て、胃が少しだけ早めに内容物を小腸に押し出します。そのことにより胃の上部にできた少しの空間が別腹です。
つまり、別腹というのはわかりやすく言えば食べすぎです。 大好きな方が多いですが、ほどほどにする必要があるかもしれません。
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第14話:なぜ、ドリンクのCMにはイケメンが多いのか?(2011年1月9日掲載)
人間は他の動物と違って、脳の扁桃体という部分が発達しています。扁桃体では情報を司っており、栄養があるものなどを本能的にほしがるより、情報によって食べるものを選んでいるわけです。
つまり、情報によっておいしいものもまずくなるし、まずいものもおいしく感じるのです。
具体例として、風評被害の地域のものだと食べたいと思わないでしょうし、体にいいと聞くと食べてみようという気になったりするなどが最たる例です。
本題のドリンクのCMの話に戻りますが、見ていて分かると思いますが、ジャニーズ系のタレントが多いですよね。これはファンの数が多いからです。 特定の領域のファンしかいない場合は売れる量が少ないため、ギャラは高くてもファンが多い人をCMに出演させます。
自分の好きなタレントがCMしているものなら飲んでみようか、食べてみようかという扁桃体の働きですね。 個性的な方といったら、青汁のCMくらいでしょ。
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第13話:小さい子供に帰りに飴をあげることの効果は?(2011年1月2日掲載)
レストラン等で帰りに子供に飴をあげたりすることがよくありますよね。原価は知れていますが、それ以上の効果があるから 行っているんですね。
その効果とは、おいしさについて分類したなかの1つに、小さい頃から慣れ親しんだ味はおいしいというのがあります。また、雰囲気は重要な役目を果たしております。如何に「また来たい」と思わせることが重要です。つまりリピーターを作らないと店は困るわけです。
子供であれば、飴をもらったという得した雰囲気を味わうことで、またその店に来たいと思うわけです。 親にまたそこに行きたいとねだれば、多分またその店に行きますよね。
学生向けのパソコンソフトが安いのはそのためなのです。表向きは学生はお金がないからとなっていますが、実際は小さい頃から慣れ親しんだ パソコンソフトを急にやめて、新しいソフトを1から覚えようとは思わないですからね。
この効果をうまく利用したのがマクドナルドです。ハンバーガー単品は子供の小遣いで買える値段設定ですよね。(セットだと高くなりますが、単品だと安いですよね。)
そうすることで、小さい頃から慣れさせておく、またハッピーセットのおもちゃも年々高機能化していますよね。 そうすると大人になってからも食べ続けるし、将来子供ができても、その子にも食べさせるわけです。
ですから、単品を安くしても、固定客が増えるわけですから、全体的には問題ないわけです。
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第12話:ヨーロッパの水でお茶を入れるとおいしいの?(2010年12月26日掲載)
日本は軟水、ヨーロッパは硬水が多いです。ですからヨーロッパでお茶を入れるとまずくなります。 まず、軟水・硬水の定義ですが、水にカルシウム・マグネシウムがどれだけ含まれているかということになります。
軟水はこれらの成分が少ない、逆に硬水は多いということになります。 軟水は素材の味を生かす料理に適しており、煮物などのダシを使った食材が発達している理由はここにあります。
逆に硬水でお茶を入れると、水に含まれているカルシウムやマグネシウムがお茶と反応し、雑味が増える事でまずくなるのです。 そのため、西洋の料理はシチューを見ればわかるように、ルーや香辛料で全体的に味付けしていますよね。
個々の食材の味を引き立てる調理法でないことに気づくと思います。食文化の違いというのはこのようなところでも知ることができるのです。
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第11話:刺身盛り合わせに原産地が書いていないのはなぜ?(2010年12月19日掲載)
単品の場合、生鮮食品の扱いになりますので、原産地表示は必要です。しかし、盛り合わせの場合、 加工食品の扱いになるため、個々の原産地表記は免除されます。(自信があれば、表記すると思いますが。) あと、対面販売の場合は原産地表記が免除されます。
このような表現について申し上げると、以前は製造年月日を書いていたものが今は賞味もしくは消費期限になっていますよね。 海外からの輸入品だと船での移動時間がかかるため、国産品と比較して鮮度が悪く思われることを懸念し、海外からの圧力で 法令が変わったんですね。また、以前より加工食品の数が増え、食べられる限界も判断が難しくなり、賞味期限に変わったわけです。
なお、砂糖や塩などは腐らないという理由で、賞味期限の表示は免除されております。
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